2008年05月21日

バウハウス・デッサウ展と河鍋暁斎

バウハウス・デッサウ展が国内では13年ぶりということで開催されている。

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およそデザインに関係する人で、バウハウスを知らぬものはない。
関係者はグロピウス、ハンネス・マイヤー、ヨハネス・イッテン、ミース、クレー、モホリ・ナジ、カンディンスキーなど綺羅星の如くだ。

展示は授業でのデザインの展開を確認させるののが多く、初めて眼にするプロダクツにも驚くほど、新鮮なのものある。

グロピウスの校長室が再現されていて、計算されつくした家具のプロポーションが美しく、サッシのディテールも90年前のものとは思えない。
しかし、一人で執務するには厳しさを感じる空間だ。

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バウハウスは歴史的価値に埋もれるということは無く、様々な側面から現代でも見返す意味は多いだろう。
しかし現代が、バウハウスからはるかに離れた地点に到達してしまったことも確実だ。

若い学生の見学者が多かったが、どのような感想を持ち帰ったのか。


併設で芸大コレクション展が行われていて、初めて肉筆を眼にした河鍋暁斎の作品には驚嘆した。
既視感溢れるバウハウス展と、暁斎の絵の一枚のどちらが感覚に刺激を与えるかというと、その判断は微妙なものがある。

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2008年05月13日

森山大道展 I.レトロスペクティヴ1965-2005/II.ハワイ

写美の森山大道展。何となくそろそろ始まっている筈と向かったが、初日だった。
展示は大々的な二部構成で2フロアーを使って、回顧的なレトロスペクティヴと新しいハワイ。

平凡に見える現実を切り裂いて、単に見えるものの奥に潜む危険なもの、暗いものを鮮やかに取り出して見せる森山大道だが、回顧展の方は今の時代の軽さに拮抗するようにその暗さが何故か懐かしい。
「何かへの旅」とタイトルがつけられた70年代の作品のコーナーは、とりわけ出口を求めた精神の葛藤が暗く灰色の映像の中で凝縮している。

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ハワイはブエノスアイレスに続いての国外作品だが、国内でのテーマを拡大したのか希薄化したのか。
街角の表情は変わって、暗さを重ねる映像は少ないが、空虚さが一層突き抜けるようだ。

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初日のためか、森山大道自身の連続対論が催されていて、帰りのEVで本人に遭遇した。
日本も、ハワイも片隅においた風貌は、70歳の年齢を感じさせなかった。
ラベル:森山大道
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2008年05月04日

源氏物語絵巻

今年は源氏物語千年紀で、あちこちで催し物が行われている。

国宝の源氏物語絵巻は徳川美術館と五島美術館に所蔵されていて、五島美術館では、鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法を所蔵し、春の一週間だけ公開される。

新緑の中見学に。

あわせて、平成の復元模写を行った加藤純子の手になる色あざやかに甦った作品も併置されている。
これを見ると、復元作業は単に復元するだけでなく新たな解釈も加えられた、一つの立派な創作であることを納得させる。

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この展覧会では、合わせて書と陶器の逸品も出展されていて、藤原行成の升色紙や藤原佐里の紙縒切、一休の梅画賛、豪快な古伊賀水指の破袋などは思わぬ眼福だった。

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2008年05月01日

奥多摩散歩−櫛かんざし美術館・玉堂美術館

新緑の奥多摩の散策に、気に掛かっていた櫛かんざし美術と玉堂美術館を訪れた。

櫛かんざし美術館は、不思議な美術館だ。
収蔵品は櫛、簪だが何故それを澤乃井酒造がわざわざ美術館を作り、展示しているのか。
美術館のHPには、「収集家として著名であった岡崎智予さんのコレクションを一括継承し、さらに新規の収蔵品を加えて、集大成したものです。」という通り一遍の説明がある。

岡崎智予さんは京都の芸妓をしていた方で、澤乃井酒造とどのような関係があったのか。興味は尽きないが、これ以上は野暮というものか。

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コレクションは素晴らしく、精緻を極めた蒔絵や鼈甲細工が眼も綾に展示されている。
これらは美しいだけでなく女性の髪にかける情念が結晶して、一つ一つに様々な物語が秘められているに違いない。
あわせて展示されている、外国のいかにも大振りの簪もいかにも感性の違いを感じさせて面白い。

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そして何よりも、ホールから望む御岳渓谷の新緑が素晴らしい。
これだけでも行って見る価値があると言うものだ。

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玉堂美術館は、櫛かんざし美術館から渓谷をのんびり歩いて30分程のところにある。
吉田五十八の設計した建物は既に築50年近いが、切り妻の飛騨民家をモチーフとしたという建物は古さを感じさせない。
中島健との共同設計の枯山水の庭は、今も繰り返す季節の鮮やかな新緑と美しさを競い合う。

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この美術館は、全国の玉堂愛好家の寄付によって建設されたという、今の世の中ではあまり見かけない幸せな経緯を持っている。
展示作品は15歳から84歳の絶筆までバライティ豊かだが、15歳の頃の身近な動植物の素描の業に驚かされる。
書の技も見るべきものがあり、画に加えられた墨蹟も一流だ。

勿論、着彩した作品も見事だが、薄墨一色での描写は神韻縹渺の気配だった。

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