

およそデザインに関係する人で、バウハウスを知らぬものはない。
関係者はグロピウス、ハンネス・マイヤー、ヨハネス・イッテン、ミース、クレー、モホリ・ナジ、カンディンスキーなど綺羅星の如くだ。
展示は授業でのデザインの展開を確認させるののが多く、初めて眼にするプロダクツにも驚くほど、新鮮なのものある。
グロピウスの校長室が再現されていて、計算されつくした家具のプロポーションが美しく、サッシのディテールも90年前のものとは思えない。
しかし、一人で執務するには厳しさを感じる空間だ。

バウハウスは歴史的価値に埋もれるということは無く、様々な側面から現代でも見返す意味は多いだろう。
しかし現代が、バウハウスからはるかに離れた地点に到達してしまったことも確実だ。
若い学生の見学者が多かったが、どのような感想を持ち帰ったのか。
併設で芸大コレクション展が行われていて、初めて肉筆を眼にした河鍋暁斎の作品には驚嘆した。
既視感溢れるバウハウス展と、暁斎の絵の一枚のどちらが感覚に刺激を与えるかというと、その判断は微妙なものがある。

