2008年11月25日

香嵐渓あれこれ

足助の香嵐渓は、愛知県の紅葉の名所。
見頃を求めて行って見た。

紅葉の地域は意外と短くて巴川沿いの1km程度だ。

ここに、桜の頃の千鳥が淵も顔負けな位、自分もその一人とはいえ大変な数の観光客が殺到し、人も車も大渋滞だ。
連休の時は、歩くこともままならなかったのでは無かろうか。

20081125香嵐渓混雑s-.jpg

どの観光地も、美しい写真だけ見ていると心惹かれるが、大概は不都合な情報が切り落とされているので、本当のところは行って見ないと分らない。

それでも、絢爛たる紅葉には人出の混雑の責任は無く、それなりの見所は楽しめた。

20081125香嵐渓民家s-.jpg  20081125香積寺s-.jpg  20081125香嵐渓s-.jpg


しかし、鎌倉の静かな獅子舞の谷の方が、人出が無いだけ好ましい。
獅子舞は、楓の紅葉と公孫樹の黄葉が同時に見られるし、何より車では寄り付けない。 (下の写真は鎌倉獅子舞)

200501201獅子舞1s-.jpg  20051201獅子舞2-.jpg
  
名物の味はややほろ苦い、香嵐渓。

タグ:香嵐渓
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2008年11月15日

安藤忠雄建築展[挑戦-原点から-]

ギャラリー間の安藤忠雄建築展。
原寸大の住吉の長屋の模型を会場にセットして、大きな話題を呼んでいる。

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予想に反して大部分はベニヤで、コンクリートらしく見せる塗装もされていないが、一部は実物のコンクリートで作られており、神話的な住宅になりつつある住吉の長屋の空間を体験できる。

未だそこに住まい続けている建築主の思い入れと、その空間自体を好意的に評価するのは一般的な傾向だが、あくまでも特殊解なので、特殊性の要因を取り除いて、どう判断するかはかなり微妙な問題だ。

このモックアップは残念ながら、吹き抜けにブリッジのある二階部分には上がれない。
より実物の近い住吉の長屋を体験するには、雨の日に行って、中庭の不便さを体験する事が必須かもしれない。

設計図が展示されていて、ディテールレスの図面よりもそこに書き込まれていた字が意外と几帳面で眼を引いた。
安藤の字かどうかは不明だがもしそうであれば、初期の初々しさが字にも現れているようだった。

安藤の言葉は、いつも理解不能な言葉を振り回す建築家の中では分りやすく且、喚起力がある。
今回の展示に当たって、「いつも心に描いているのは、人々の心に生の感動をもたらす建築をぬける"風の情景”、自然と共生しつつそこに住まう人々の意思を表現して行く建築だ」とパンフレットに記している。

住吉の長屋はこれで良いだろう。
しかし、意思の表現と自然との共生は予定調和的な幸せな結末を迎えることは殆ど無い。

これらの言葉と裏腹にアブダビ海洋博物館やモンテレイ大学RGSセンター、バレーン遺跡博物館などは、暴力的なデザインで、逆に自然と対峙した建築家の意思を表現しているように見える。

ando-ten-abudabi.jpg  ando-ten-monterei.jpg

俗受けしやすい、共生とか環境という言葉を使い始めた時は、単なる隠れ蓑にしか過ぎない事が大部分なので要注意だ。
それよりも安藤の別の言葉、「場所の記憶・場所の風景」に繋がる作品の方が説得力がある。

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共生は所詮自立的で無いが、場所の記憶はその中に時間軸を取り込みつつ、過去にも未来にも触手を伸ばして操作が可能だ。
いたずらに、耳に心地よい共生という言葉を使う誘惑に駆られないほうが良いだろう。

見学者に安藤好きの学生や建築関係者が多いのは当然だが、かなり年配の方が多かったのは意外だ。
それだけ、安藤が一般の人にも知られているということか。
たまたま秋の定番、日展が国立新美術館で開催されているので、いかにもそこから流れてきたと言う雰囲気の人々だった。

そういえば、国立新美術館を設計した黒川紀章が共生建築をうたい、国立新美術館自体を環境との共生という言葉で謳いあげていた事も思い出す。

安藤の国内外の大規模な建物の構想は、何時ものように規模とデザインの質が反比例する傾向に歯止めをかけそうにはないが、構想自体がデザインを服従させるような立場に転位するかもしれない。
海外ものは、それを確認する機会も無いのでせめて、それぐらいのことは期待したい。

ギャラリー間は何時もと違って、撮影不可。
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2008年11月10日

ホテル・ニューグランドの良き時代

山下公園の脇のホテル・ニューグランド旧館は、神奈川県庁本庁舎と一年違いの1927年竣工で、昨年80周年を迎えた。
設計は、東京国立博物館や銀座和光と同じ渡辺仁。

20081110ニューグランドs-.JPG


このホテルは、マッカーサーとの関連で有名で、東京へ入る前も宿泊している。
進駐軍の司令部を御濠端の第一生命館に据えたが、それも同じ渡辺仁の設計だ。因果は巡る。

エントランスから二階への階段、正面の天女奏楽之図、人気の無い旧ロビーは古きよき時代を偲ばせる。
一見昔のままのように見えるが、実際は昨年12月の80周年を期して修復されている。

20081110ニューグランド階段s-.JPG  200081110ニューグランドロビーs-.jpg  20081110ニューグランドロビー2s-.jpg


寒々とした中庭も、これからのクリスマスシーズンの序奏のようで、初冬の雰囲気にかえって相応しい。

20081110ニューグランド中庭s-.jpg


「ニュー・グランド」と言うからには「グランド」があったわけで、残念ながら関東大震災で焼失とのこと。

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翻って高層の新館は、何処にでもあるただの箱もので、歴史的な連続性や港からの景観への配慮も見当たらない。

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このようなホテルは、人々の記憶に残る事は難しく、何時の日か消え去っても、惜しまれることにはならないだろう。設計は清水建設。
同じホテルの新館と旧館の間には、越えられない壁があるように見受けられる。
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神奈川県庁の宝相華

キングの愛称で親しまれる、神奈川県庁本庁舎は、小尾嘉郎の案を元に佐野利器が顧問、神奈川県内務部が実施設計を行ったという経歴を持つ帝冠様式の建物だ。
竣工が1928年で、今年80周年を迎えた。

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典型的な官庁建築だが、ライト風のデザインや各所に気になるディテールが多い。

その一つが宝相華の引用。
エントランスの階段装飾、エレベーターホールの壁面装飾などに使われている。

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宝相華は極楽浄土に咲いていると言われる空想上の理想の花。
蓮華・パルメット ・ザクロ・牡丹などを組み合わせていて、正倉院の御物にも平螺鈿背八角鏡など色々なシーンで出現する。
設計者の誰が宝相華の引用を思いついたのか、気にかかる。
よく見ると、正倉院の銀薫炉とも瓜二つだ。

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事務所ビルとしてはかなり辛い感じだが、横浜の一つのシンボルとして何時までも生き永らえてもらたい。



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