2010年02月13日

Living Form―生きている形

銀座のポーラミュージアム・アネックスは、いつも小粋な展覧会で楽しませてくれ、ぶらりと銀座を歩いたあとに立ち寄るには絶好だ。

今回は「Living Form―生きている形―チャック・ホバーマン展」

この構造デザイナーは銀座のポーラビル自体の動くファサードの設計者。
バンクーバーの冬季五輪も開始されたが、今は誰も思い出すこともないソルトレイクシティ冬季五輪の開会式の可動アーチも設計した。

会場に入ると、ミュージアムのある三階のファサードを実際に動かせる装置があり、誰でもLED照明を七色に変えながらファサードを開閉させる事が出来る。
当たり前だが、自らが外からの効果を確認できないのは、ちょっと残念。

20100213ファサードs-.jpg  20100213会場s-.jpg


会場内も実際に、動かして構造体の変容を確認できる模型もいくつか置かれている。
バックミンスター・フラーのジオデシック・ドームの可動版もあり、ハリセンボンのような形がチャック・ホバーマンの技術によって変容する姿を見るのも面白い。 

20100213ドーム1s-.jpg  20100213ドーム2s-.jpg

技術が芸術や美に短絡的に結びつくものでは無いが、その志向が無ければ何者にもなりえないのは当たり前の事だ。

Living Formは、時々それに届いて、際どく美のように見える事がある。
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最初で最後のノーマンズランド

”『No Man’s Land』 創造と破壊@フランス大使館 − 最初で最後の一般公開”と銘打ったアートイベントが行われているフランス大使館旧館へ。

入り口でピンクのストライプにからめとられた、プジョーが迎えてくれる。
国内外、有名無名、玉石混交のインスタレーションは確かに学芸会。
建物全体がキャンバスとなり、オモチャ箱をひっくり返したようで今宵限りの大騒ぎ。
しかし、普段はあまり聞くことの無い、フランス語の会話があちこちで流れるのも、何となく耳に心地よい。


20100213プジョーs-.jpg  20100213アート廊下s-.jpg  20100213アート階段s-.jpg 

20100213アート自転車s-.jpg  20100213アート土s-.jpg 


この建物は50年以上も前の1952年に、フランスの建築家ジョゼフ・ベルモンが若干24歳の時に設計している。
デザイン的には内外部に、そこここにコルビジェの影響が伺える。
内部の執務空間は驚くほどに質素で、多分大使の執務室と思われる部屋も簡素な空間で、作り付けの家具があるだけだ。

20100213外観s-.jpg  20100213壁画s-.jpg  20100213螺旋階段s-.jpg

20100213執務室s-.jpg


50年前のモダンを纏った大使館は解体されて、跡地には多分50年も持つすべのありようのない、野村不動産のマンションが建てられてしまう。

ポール・クローデルはこの敷地に、フランス大使として1921年から六年間を過ごした。
解体される建築の記憶は速やかに消失し、人の記憶はそれより永らえ、さらに土地の記憶は何時までも生き続ける。

ポール・クローデルが生きていたなら、最初で最後の一般公開をどの様な思いで見守っただろうか。
posted by 遊戯人 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 観る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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