2011年01月13日

伊東忠太の中山法華経寺聖教殿

これも佐倉・成田街道を歩いていた時に遭遇。

市川市中山にある、日蓮宗大本山の中山法華経寺の奥まった場所にある聖教殿。設計は伊東忠太。
内部には、日蓮自筆の立正安国論などが納められているという。
昭和6年(1931)竣工。

20101229聖教殿s-.jpg  20101229聖教殿彫刻s-.jpg  20101129聖教殿狛犬s-.jpg

おなじみの怪獣、聖獣、インドの仏塔形式と魑魅魍魎の世界までは行かないが伊東ワールドだ。
築地本願寺の意匠と比べると大人しいが、それでも予想外の場所で突然遭遇すると、かなり驚かされる。

これも街道歩きのご利益だろう。
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2011年01月12日

黒川紀章の佐倉市庁舎

佐倉・成田街道で、佐倉市内の海隣寺坂を歩いていると高台に記憶にある建物が現れた。
1971年に竣工した黒川記章設計の佐倉市庁舎だ。
すでに立替決議が行われている、中銀カプセルタワーよりも竣工は一年早い。

低層部はワッフルスラブだが、高層部はボイドスラブとなっており、構造をそのまま表している外観も、一世を風靡したメタボリズムの時代の作品らしい。
いかにもユニット化されているような外観だが、内部は外観と異なり大部屋だ。
しかしデザインに対する思想を直裁に表そうとした、昔の良き時代が微笑ましい。

20110104佐倉市庁舎外観s-.jpg  20110104佐倉市庁舎外観2s-.jpg  


事務棟に隣接して45度振って議会棟が接続している。
これもこの頃流行ったHPシェルで、内部はまだあまり古さを感じさせない。
外観は明らかに、サーリネンのJFK空港のTWAターミナルへのオマージュが看て取れる。しかしこの議会棟は記憶になかったので、黒川の当時のデザインの揺れを表しているようで印象深い。

20110104佐倉市庁舎議会棟屋根s-.jpg  20110104佐倉市庁舎議会棟s-.jpg  20110104佐倉市庁舎議会棟内部s-.jpg


職員の方に伺うと事務棟はあまり大きなトラブルもなく使われているようで、なんとなくほっとする話だ。
エントランスホールの天井に市章があしらわれている。
鐶を、花びらに見立てて、桜の花を形どったもので、佐倉だから桜にこじつけるのもそれはそれでよい。

20110104佐倉市庁舎エントランスホールs-.jpg

黒川紀章も既に没して、三年が過ぎた。
市役所の受付の方が、この建物の設計者の名前を間違いなく口にしてくれたのは墓の中の黒川も悦んでいる事だろう。

建築に若い主義主張があり、未来は開けていた時代を懐かしんで建物を去った。
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2011年01月10日

博物館に初もうで

東京国立博物館がリニューアルオープン記念で、今月の16日まで特別公開を行なっている。

普段は特別展でしか見れない国宝が大判振る舞いで展示され、干支の卯にちなんだ縁起物も多い。
街道歩きの初詣の次には、お正月らしく、選りすぐりの名品を見に博物館に初詣に出かけて見た。

まず、艶やかな活花が迎えてくれる。

20110106東博s-.jpg   20110106活花s-.jpg 


光琳の風神雷神図も、意外と人が少なくじっくりと見ることが出来る。
隣にはさりげなく、若冲の松梅群鶏図屏風。

20110106風神雷神図s-.jpg   20110106風神雷神図1s-.jpg   20110106風神雷神図2s-.jpg   

20110106松梅群鶏図屏風s-.jpg


干支にちなんだ、美品も多数。

20110106染付双兎図大皿s-.jpg  20110106兔水滴s-.jpg

   
富嶽三十六景の山下白雨も良く、おなじみの光悦の舟橋蒔絵硯箱も静かな存在感を発現している。

20110106富嶽三十六景山下白雨s-.jpg  20110106舟橋蒔絵硯箱s-.jpg  


特集陳列で「香りをたのしむ−香道具−」という企画がされていて、香道に携わる人には見逃せない。
蒔絵の細工物もさることながら、さりげない銀葉や伏籠の単純で清明な美しさに心が惹かれる。

20110106銀葉s-.jpg  20110106伏籠s-.jpg    


書の名品も数多く出展されている。
一休宗純や隠元のものは、説話でイメージされている人物像と全く異なり面妖であり、剛毅であり鮮烈だ。

20110106一休書s-.jpg  20110106沢庵書s-.jpg

圧巻は、国宝の古今和歌集元永本。金銀砂子の料紙は800年を経ても輝きを失わず、藤原定実の手といわれる散らし書きは流麗の極み。

20110106古今和歌集元永本s-.jpg   20110106古今和歌集部分s-.jpg  

開いている頁には、春歌上の三首が看て取れる。

 雪のうちに春はきにけり 鶯のこほれる涙いまやとくらん
 梅が枝に きゐるうぐひす 春かけて 鳴けども今だ 雪はふりつゝ
 春たてば花とや見らむ 白雪のかゝれる枝にうぐひすの鳴く

間の季節と間の心、春なのか、はまたま冬か、と気配も心も揺れ動く。
しかし春はすぐそこだと思いつつ、夕暮れの博物館を後にする。

20110106東博夕景s-.jpg
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