2011年02月17日

中平卓馬写真展「Documentary」

BLDギャラリーで行なわれている中平卓馬の写真展。

2003年に横浜で行なわれた「原点回帰」以来、久しぶりに彼の作品を見た。
動物、浮浪者、ありふれた風景など158点の均質化された、全て縦位置のプリントが並ぶ。

山羊.jpg  浮浪者.jpg  AKA .jpg


「原点回帰」以来の8年間は回帰した地点から一歩も踏み出さず、ひたすら撮るという行為自体を言葉の代わりに紡ぎだしてきた事が明白だ。
何かを表現するために撮るのではなく、撮影するという行為自体が表現になったと言う稀有な例かもしれない。

縦位置の写真は、明らかに平衡感覚の失調を顕して、多くの作品が左に傾いでいた。
鮮明な色彩と裏腹に作品は何も語らずに、浮遊する無意味さだけを拡散させる。

PROVOKEのかっての仲間の森山大道や高梨豊と比べる事は不可能だが、森山が「ドキュメンタリー」の写真集の帯に書いていた事が、全てを物語るようだった。

 「ったく、中平卓馬はいいところへ行ったよな。俺は口惜しい!」

その言葉の通り、中平の意識は現世の地平の彼方に漂っている。
posted by 遊戯人 at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 観る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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