2011年10月31日

黄金町バザールの心地よさ

今年で4回目になる黄金町バザールは、アートと町との様々な関わりで地域の活性化を目指す活動だ。
http://www.koganecho.net/koganecho-bazaar-2011/

開催地域は日ノ出町から黄金町、初音町に掛かる一帯で地名の佳名にも関わらず、少し前まではいわゆる青線として名高い特飲街だった。
そこから脱却し、地域ぐるみでアートでの再生を目指して、その動きは成果を見せ始めている。

今年は横浜トリエンナーレの特別連携プログラムということで、期待を持って足を運んだ。

京急の高架下には数年前から日ノ出スタジオ(設計者:飯田善彦)があり、今回高架下新スタジオ(設計者:元シーラカンスの小泉雅生)と黄金スタジオ(設計者:みかんぐみの曽我部昌史)との二つのスタジオも新設され、地域の取り組みへの力の入れ方が見て取れる。
これらの三つのスタジオは、土地のいかがわしさを拭い去った小奇麗な建物だが、残念ながら周りの猥雑な建物に立ち向かう力を見ることは出来ない。

20111023日ノ出スタジオs-.jpg  20111023高架下新スタジオs-.jpg  20111023黄金スタジオs-.jpg

黄金スタジオにはstudio BO5の設計の割り箸を使ったウォールがあり、接着剤と簡単なクリップで構成されている工夫が目を引いた。

20111031割り箸ウォールs-.jpg


区域には27の展示場が散在し、そこをアトリエとしている若いアーティストが作品を展示している。
アトリエは昔の特飲街の店を改修したものが大部分なので、その空間を垣間見るのも面白い。
間口一間、奥行き二間半の極小のスペースの二階建ての店が連続し、勝手気ままなコンテンポラリー系の作品が壁面に描かれた空間は、窓だけが昔の「ちょんの間」の記憶を残している。

20111031スタジオスペースs-.jpg  21111031初音ウイングs-.jpg


高架下には、会期終了後の引き取りてを探しているという、さとうりさの巨大な作品「メダム K」が特に目をひきつけた。
メダムはマダムの複数形で、Kは黄金町だろう。ここで働いていた女性達へのオマージュ。
製作者のさとうさんが、作品に金色の鈴を縫い付けていた。
会期終了までに訪れた人に縫い付け続けて貰い、作品の変貌を見てみたいと。
協力して、慣れぬ手つきで一つの鈴を縫い付けた。
濃紺の「メダム K」が、黄金の希望に満ちたゴールデンベアーになるかもしれない。

20111023メダムKs-.jpg


少し前の雰囲気を残す路地や店はそこかしこにあり、その猥雑さが心地よい。
陽が落ちると、昼間の取ってつけたような気配は払拭され、昔の気配が何処からともなく舞い戻り、染み付いたてだれた光とほの暗い闇が辺りを包み込む。

20111023路地s-.jpg  20111031竜宮旅館s-.jpg  20111031夕刻s-.jpg  20111031竜宮旅館2s-.jpg


黄金町バザールは、ひと時の宴だが、夜の帳と共に街は無限に循環して生気を取り戻す。
まだまだ青臭いアートという言葉ではなまなか太刀打ちできない、饐えた気配が心地よく漂っていた黄金町だった。
posted by 遊戯人 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 観る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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