2009年11月18日

隈研吾の「Studies in Organic」展

ギャラリー間の隈研吾の「Studies in Organic」展。

小さいものでは結構上手い素材の使い方をしていた隈研吾だが、ルーバーと孔から抜け切れない。

何を思ったか、最近は「有機的」、「有機体」が売り言葉らしい。
建築で有機的というとすぐにライトや村野藤吾、更には伊東豊雄などを思い浮かべるが、隈研吾の有機体とはどうだろう。

曰く、「抽象的なものから抜け出して、有機的なものへと向かいたいと考えている。有機的なものは、単なる自然とも自然素材とも違う。有機体は生命体に固有の「生成」のダイナミズムを有していなければならない。・・・」

しかし、彼の空間は外装で期待するものとは裏腹に、全く逆に無機的なものを感じさせる。
模型を見る限り彼の行っている有機的は、単に分節化、パターン化された幾何学的なものに集合に過ぎない。そしてあくまで全く単純な直線で構成された単位の組み合わせだ。

ギャラリーにはグラナダ・パフォーミングアーツ・センターやブザンソン芸術文化センターの模型が展示されている。
これら巨大建築の内部空間はどうなるか、興味がわくところだ。

グラナダ.jpg  プザンソン.jpg
 
模型の中では唯一、「梼原まちの家」が面白くなりそうだった。

一昔前は共生という言葉が流行し、猫も杓子も共生だったが、最近はやや手垢にまみれたのか、見捨てられつつある。
負ける建築から、勝つ建築になりつつある隈研吾も、M2から様々変わってきたので、「有機的」をキーワードに変わるのは結構なことだろう。
軽い言葉は変転し、人も機を見て敏に変転する。
これからも様々に変節しそうな隈研吾だ。


ギャラリー間は以前は写真撮影可能だったのだが、入り口に撮影禁止の標識が貼られていた。
という事は、恒常的に禁止になったわけで、森ミュージアムや世界の流れとは全く逆行している。受付の係りの方に問うと、撮影を嫌う建築家が増えているのでと言う答えで、要領を得ない。果たしてそうなのか?
安藤忠雄展以来ではないのか。残念なことだった。


posted by 遊戯人 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 観る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私が予感していたこの展覧会への印象、
すべて遊戯人さんに先に語られてしまった感じです。

私が気に入るタイプの建築への常套句は、
「有機的」、「SF的」などといった形容ですが、
隈研吾のマーケティング体質は、
まさにそれらと相容れないもののように思われます。
Posted by テツ at 2009年11月21日 01:00
テツさん

隈研吾は、最近は建築家というよりはプロデューサー的な感じですね。安藤忠雄と同じです。

女性はあまり言葉に騙されないので、隈研吾は直感的に好きでないという人が多いようです。

根津はまだ見ていないので、要確認ですが。
Posted by 遊戯人 at 2009年11月21日 09:31
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