2011年01月12日

黒川紀章の佐倉市庁舎

佐倉・成田街道で、佐倉市内の海隣寺坂を歩いていると高台に記憶にある建物が現れた。
1971年に竣工した黒川記章設計の佐倉市庁舎だ。
すでに立替決議が行われている、中銀カプセルタワーよりも竣工は一年早い。

低層部はワッフルスラブだが、高層部はボイドスラブとなっており、構造をそのまま表している外観も、一世を風靡したメタボリズムの時代の作品らしい。
いかにもユニット化されているような外観だが、内部は外観と異なり大部屋だ。
しかしデザインに対する思想を直裁に表そうとした、昔の良き時代が微笑ましい。

20110104佐倉市庁舎外観s-.jpg  20110104佐倉市庁舎外観2s-.jpg  


事務棟に隣接して45度振って議会棟が接続している。
これもこの頃流行ったHPシェルで、内部はまだあまり古さを感じさせない。
外観は明らかに、サーリネンのJFK空港のTWAターミナルへのオマージュが看て取れる。しかしこの議会棟は記憶になかったので、黒川の当時のデザインの揺れを表しているようで印象深い。

20110104佐倉市庁舎議会棟屋根s-.jpg  20110104佐倉市庁舎議会棟s-.jpg  20110104佐倉市庁舎議会棟内部s-.jpg


職員の方に伺うと事務棟はあまり大きなトラブルもなく使われているようで、なんとなくほっとする話だ。
エントランスホールの天井に市章があしらわれている。
鐶を、花びらに見立てて、桜の花を形どったもので、佐倉だから桜にこじつけるのもそれはそれでよい。

20110104佐倉市庁舎エントランスホールs-.jpg

黒川紀章も既に没して、三年が過ぎた。
市役所の受付の方が、この建物の設計者の名前を間違いなく口にしてくれたのは墓の中の黒川も悦んでいる事だろう。

建築に若い主義主張があり、未来は開けていた時代を懐かしんで建物を去った。


posted by 遊戯人 at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 見る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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